かご落ちって何?原因とネットショップの改善手順
この記事の要点
- かご落ちとはカート投入後に購入せず離脱する現象で、平均60〜80%前後発生する
- 主な原因は予想外の送料や手数料、会員登録の強制、希望する決済手段の不足の3点
- 商品ページでの総額表示とゲスト購入の導入により手続きの負担を減らすのが基本
かご落ちとは、ネットショップで商品を買い物かご(カート)に入れた利用者が、最終的な購入手続きを完了させずに離脱する現象を指します。カート離脱とも呼ばれ、購入意欲が高かった顧客を逃している状態であるため、ショップの売上に直結する改善課題となります。
かご落ちの基本と発生する仕組み
かご落ちが起きる状況
ネットショップを運営していると、アクセス数は増えているのに注文数が伸びない場面に直面することがあります。管理画面を確認した際に「カートに商品が投入された数」に対して「実際の購入完了数」が極端に少ない場合、かご落ちが発生しています。
かご落ちは、顧客が商品自体には強い興味を持ち、購入手続きの直前まで進んでいた証拠でもあります。ゼロから新しい集客を行うよりも、すでに商品を気に入ってカートに入れた顧客の障壁を取り除くほうが、注文獲得への距離が近いと考えられます。
かご落ち率の計算方法
ショップの現状を把握するために、まずはかご落ち率を算出します。計算式は以下の通りです。
- かご落ち率(%)= { 1 - (購入完了件数 ÷ カート投入件数) } × 100
例えば、カートに商品が100回投入され、そのうち注文完了に至った件数が30件だった場合、かご落ち率は70%となります。一般的なネットショップにおけるかご落ち率は60%から80%前後の幅で推移するケースが多く見られます。ただし、商材の種類や価格帯、リピート比率によって数値には幅があります。
かご落ちが発生する主な原因
予想外の追加費用の発生
かご落ちの代表的な原因が、注文画面で初めて提示される追加費用です。商品ページで想定していた金額に加えて、決済直前に高額な送料や手数料、消費税が加算されると、顧客は心理的な不信感や負担を感じて購入を中断します。
特に送料設定が分かりにくい店舗では、購入手続きを進めて最終確認画面を見るまで総額が確定しない作りになっていることがあります。この段階での離脱は非常に多く発生します。
会員登録の強制と入力項目の多さ
購入完了までに必要な個人情報の入力項目が多すぎることも、大きな離脱要因です。初回購入時にパスワード設定や氏名、生年月日、アンケートなどの入力を必須にすると、手続きを面倒に感じた顧客が途中で画面を閉じてしまいます。
ゲスト購入(会員登録をせずに注文を完了できる仕組み)が用意されていない場合、購入のハードルはさらに上がります。
希望する決済手段の不足
顧客が普段利用している決済方法が選べない場合も、かご落ちが発生します。クレジットカード情報の入力に不安がある顧客や、スマートフォンから手軽に購入したい顧客にとって、希望する電子決済や後払いが選べない店舗は購入をやめる理由になります。
決済画面でのセキュリティへの懸念や、外部連携の不具合によるエラーも離脱を引き起こします。

URLを入れるだけで、あなたのサイトのEC・AI検索・Googleマップの弱点が30秒でわかります。直すべき箇所が優先順位つきで出ます。完全無料・登録不要です。
無料でサイトを診断する →注文手続きを改善する具体的な見直し手順
自分でネットショップを運営している小さなお店やメーカーでは、大掛かりなシステム改修を行わなくても、文言や表示位置を見直すだけで状況が好転する場合があります。「どのページの・どこを・どう直すか」を明確にして修正を進めましょう。
商品ページとカート画面の価格表記
#### 直す前の例
- 修正前:商品ページには「3,000円」とだけ表記し、送料や決済手数料の詳細を別ページへのリンクで案内している。
#### 直した後の例
- 修正後:商品ページの価格付近に「税込3,300円 / 地域別送料(例:関東地域は800円程度)別途」と明記し、カート画面へ進む前におおよその支払総額が把握できるようにする。
顧客がカートボタンを押す段階で総額をイメージできるように整えることが大切です。特定商取引法に基づく表示義務や総額表示のルールについては、消費者庁の公式案内を確認しながら適正に記載してください。
入力フォームと購入経路の整理
#### 直す前の例
- 修正前:カート画面から進むと「新規会員登録はこちら」という大きなボタンしかなく、登録を完了しないとお届け先情報の入力に進めない。
#### 直した後の例
- 修正後:カート画面に「会員登録して購入」と並列して「会員登録せずに購入手続きへ(ゲスト購入)」のボタンを配置し、必須入力項目をお届け先と連絡先のみに絞り込む。
入力項目は必要最小限に留め、スマートフォンからでもスムーズにタップできるよう配慮します。なお、利用しているカートシステムによって選択できる入力設定や画面構成は異なります。自社で利用しているサービスの公式ヘルプを参照しながら変更を行ってください。
決済方法の提示位置
#### 直す前の例
- 修正前:どの決済方法が使えるかが、最終確認画面まで進まないと分からない。
#### 直した後の例
- 修正後:商品ページの下部やフッター、ショッピングカートの第一画面に、利用可能な決済手段のロゴや一覧(クレジットカード、コンビニ決済、各種ID決済など)を並べて案内する。
自分が使いたい支払方法があることを早い段階で認識できれば、顧客は安心して注文手続きを進められます。
かご落ち対策でよくある失敗例
カート離脱防止ポップアップの過度な表示
離脱しようとした瞬間に画面全体を覆う割引クーポンの案内を表示させる施策があります。しかし、設定頻度やデザインによっては閲覧の邪魔になり、店舗への信頼を損ねる原因になります。特にスマートフォン画面での過剰な表示は誤タップを招き、かご落ちを悪化させるケースがあるため注意が必要です。
送料設定の複雑化
地域や商品の組み合わせによって細かく送料を分けすぎると、顧客が計算を面倒に感じます。一定金額以上の購入で送料無料にする基準を設ける場合も、「あと◯◯円で送料無料」という案内が分かりやすく表示されていないと、効果的な買い増しにつながらず手続きを離脱されてしまいます。
事業規模に合わせた配送コストの計算や資金計画の立て方については、中小企業庁の支援情報なども参考にしながら、持続可能な送料設定を検討することが求められます。
継続的な改善のための計測管理
かご落ちは一度の修正で完全にゼロにすることはできません。ネットショップの注文画面を改善した後は、必ず定期的に数値を追跡します。
- 改善前のカート投入数と注文完了数を集計する
- 入力フォームの項目数や価格表示を変更する
- 変更から一定期間(おおよそ数週間から1ヶ月程度)の数値を集計し、かご落ち率の変化を比較する
このように変更差分を記録しながら少しずつ手続きの摩擦を減らしていくことが、無理のない売上改善につながります。
よくある質問
- Q. かご落ち率の計算方法を教えてください。
- A. 「{ 1 - (購入完了件数 ÷ カート投入件数) } × 100」で計算します。例えば100件のカート投入に対して注文完了が25件の場合、かご落ち率は75%となります。
- Q. かご落ちを防ぐためにまず取り組むべきことは何ですか?
- A. 商品ページやカート画面の早い段階でおおよその総額や送料を明示することと、会員登録なしで買えるゲスト購入導線を用意することが優先されます。
- Q. かご落ち対策メール(リマーケティング)は効果がありますか?
- A. 買い忘れを通知する手段として一定の効果が期待できますが、配信頻度や文面を誤ると不快感を与えるため、丁寧な案内設計が必要です。